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ドストエフスキー著、亀山郁夫訳「カラマーゾフの兄弟1〜5」

カラマーゾフの兄弟1 (光文社古典新訳文庫)亀山 郁夫 おすすめ平均 汲めども尽きぬ。読みやすいんだが読破した!!天の頂に迫る。こんなに面白いなんて!Amazonで詳しく見る by G-Tools ドストエフスキー作品の登場人物は、極端な性向の持ち主が多い。もっと…

佐藤優「国家の謀略」

国家の謀略佐藤 優 おすすめ平均 国家および民族のための諜報インテリジェンスについて分りやすく説明されている宗教の持つ意味とは?面白い!ビジネスに応用できるかどうかは何ともAmazonで詳しく見る by G-Tools◎池田徳眞「プロバガンダ戦史」の原則から見…

人事異動の季節におもう

3月は人事の季節だ。 一定規模以上の組織ならだいたい人事異動があるから、そこに勤めるサラリーマン達はこの時期に矢継ぎ早に発令される人事に、それこそ一喜一憂する。行きたい部署がある人は、思い通りの部署に行けるかどうかヤキモキする。上司や部下と…

マキアヴェリ著(マキャベリ)、佐々木毅訳「君主論」

君主論 (講談社学術文庫)マキアヴェリ 佐々木 毅 おすすめ平均 麦酒の苦味に似た味政治学・帝王学のために必読。君主論現代でも十分に生きる政治観分かりやすいAmazonで詳しく見る by G-Tools ニッコロ・マキャヴェッリは、イタリアの中世の政治思想家であり…

道路特定財源報道を見ながら、田舎における道路整備の必要性を考える(ストロー効果の観点から)

わたしの住む北海道の東部地域は、かつて社会インフラが貧弱で、たとえば国道などの幹線道路ですら、つい30年、40年前までは砂利道で不便だったという。先日も地元出身の年配者から話を聞いたが、特に春の雪解け時期には道路がぬかるみ、場所によっては…

田中森一「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」

反転―闇社会の守護神と呼ばれて田中 森一 おすすめ平均 「検察」の驚愕の事実特捜が断片情報から本丸攻略までのからくりを生々しく描写犯罪なんて便宜的な枠組みでしかないバブルに踊らされた団塊世代の独白迫力はある。でも、、、Amazonで詳しく見る by G-T…

魚住昭「野中広務 差別と権力」

野中広務 差別と権力魚住 昭 おすすめ平均 あえて 指摘します。顔にあざのある女戦後の被差別、政治の歴史、裏社会がよくわかる戦後日本の肖像と断絶一人の人間の生き方として読むAmazonで詳しく見る by G-Tools 魚住昭氏の文章は今回はじめて読んだが、各エ…

製紙業界の環境偽装はこれからの時代のキーワードだ

王子製紙、日本製紙など製紙業界の古紙配合率の偽装が次々と発覚している。 紙・パルプ業界の大手のほとんどすべてがこの偽装に関わっているのだから、この業界全体が偽装に手を染めていたことは間違いない。最大手の王子製紙は年賀はがきの配合率40%と謳…

コンラッド・タットマン著,熊崎実訳「日本人はどのように森をつくってきたのか」②

日本人はどのように森をつくってきたのかコンラッド タットマン Conrad Totman 熊崎 実 おすすめ平均 日本の森林について学ぶ人の必読書森林から見た日本の歴史昔々の森の話。Amazonで詳しく見る by G-Tools4 近世における造林技術の確立〜植栽 …造林書や林…

コンラッド・タットマン著,熊崎実訳「日本人はどのように森をつくってきたのか」①

日本人はどのように森をつくってきたのかコンラッド タットマン Conrad Totman 熊崎 実 おすすめ平均 日本の森林について学ぶ人の必読書森林から見た日本の歴史昔々の森の話。Amazonで詳しく見る by G-Tools 古代から近世までの日本の森林管理の実像を、通史…

佐藤優・魚住昭 「ナショナリズムという迷宮―ラスプーチンかく語りき」

ナショナリズムという迷宮―ラスプーチンかく語りき佐藤 優 魚住 昭 朝日新聞社 2006-12売り上げランキング : 35202おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools …(佐藤優は「国家の罠」において)いわば国家を愛しながら平然と突き放すという離れ業をあっさ…

鈴木宗男・佐藤優「反省 私たちはなぜ失敗したのか?」

反省 私たちはなぜ失敗したのか?鈴木 宗男/佐藤 優 アスコム 2007-06-15売り上げランキング : 6557おすすめ平均 恐るべき官僚の実態を知る手がかりに可笑しさと怖ささらなる深層の真相を想像するAmazonで詳しく見る by G-Tools 佐藤優氏、鈴木宗男氏の著書は…

藤原正彦「日本人の矜持―九人との対話」

日本人の矜持―九人との対話藤原 正彦 新潮社 2007-07売り上げランキング : 39536おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 小学校において重要なのは、一に国語、二に国語、三,四がなくて五に算数。他の科目はすべて十以下といっていい。(73p) 藤原正彦…

立花隆「『田中真紀子』研究」

「田中真紀子」研究立花 隆 文藝春秋 2002-08売り上げランキング : 226639おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 最初に断っておきたいのは、わたし自身、田中真紀子という政治家に興味があるわけではないということだ。彼女が外務大臣時代に見せた無…

「『丸山眞男』をひっぱたきたい―希望は、戦争。」論文とその後の論争について

今年の終わりに、今年度の論題で話題になった論文とその後の論争について追ってみた(2007年12月31日記す)。 話題となった論文は、無名のフリーターが書いた「『丸山眞男』をひっぱたきたい―希望は、戦争。」(赤木智弘、論座2007年1月号:53-59p)というも…

元旦と日本経済新聞

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今年こそは自分自身もっと成長したいです。 さて元旦を迎えましたね。元旦といえば、この7年間元旦に実践していることがあります。些細なことと言えばそれまでですが、それは日本経済新聞の元…

ダウンタウンとの出会い

ダウンタウンとの出会いは高校生のときだった。 高校2年生くらいだったと思う。わたしの家は夕食時にテレビが付いていることが多く、その日も何気なく家族でテレビを見ていた。「ダウンタウンのごっつええ感じ」という番組が流れ、その中の一つのコントにわ…

松本人志監督「大日本人」

大日本人 通常盤神木隆之介 UA 板尾創路 アール・アンド・シー 2007-11-28売り上げランキング : 891おすすめ平均 ヒーロー物、としては悪くなかった?これは恐怖映画だどこが面白いのか解らないAmazonで詳しく見る by G-Tools 松本人志の熱狂的ファンの一人…

手記「私はなぜ社説を盗用したか」(小林広、論座2007年7月号:184-195p)を読んで大学院生時代を思い出した

論座の2007年7月号を流し読みしていたら、次の記述にハッとさせられた。 その記事は、盗用で社説記事を書いて山梨県の新聞社を解雇された記者の手記だ。解雇後に医療専門家から送られたというメッセージの引用部分に、次のくだりがある。 ジャーナリストには…

柴田昌治,金田秀治「トヨタ式最強の経営―なぜトヨタは変わり続けるのか」

トヨタ式最強の経営―なぜトヨタは変わり続けるのか (日経ビジネス人文庫)柴田 昌治 金田 秀治 おすすめ平均 トヨタを題材とした企業風土のケーススタディAmazonで詳しく見る by G-Tools トヨタ自動車の経営絶好調の秘密を探りたい程度の気持ちで読んだら、予…

榊原英資「為替がわかれば世界がわかる」

為替がわかれば世界がわかる (文春文庫)榊原 英資 おすすめ平均 財務官としての仕事が書かれているだけ情報をどのように扱うか。政・経・軍事・通貨を一体不可分で考える為替と経済の関係を知りたい人へミスター円と呼ばれた男Amazonで詳しく見る by G-Tools…

佐藤優「獄中記」

獄中記佐藤 優 岩波書店 2006-12売り上げランキング : 2385おすすめ平均 強靱な精神力に脱帽知性と行動、そして外交の失策。出会いの本 Amazonで詳しく見る by G-Tools しかし佐藤優氏の書く文章は、どうしてこれほどまでに読者を引きつけるのだろうか? 以…

森達也「豊かで複雑な、僕たちのこの世界 森達也対談集」

思想的スタンスが必ずしも一致するわけではないが、森達也氏の考え方や発言にはハッとさせられたり、考えさせられるものがあるので、彼が出す本などの作品はなるべくチェックするようにしている。先日NHK教育で放送されたドストエフスキー特集で、「カラマー…

ソウル・フラワー・ユニオン「満月の夕」

満月の夕ソウル・フラワー・ユニオン 中川敬 カラオケ おすすめ平均 決して悲しい歌ではない。これは人間讃歌だ。Amazonで詳しく見る by G-Tools 1995年の阪神・淡路大震災の復興に関わる中で作られた名曲。荒削りな音作りだが、ボーカル中川敬の力強さ、圧…

マックス・ヴェーバー「支配の社会学」

これまでの人類史は集団による生活史であり、デフォーのロビンソン・クルーソー的な単独生活は希なケースに過ぎない。人間が集団で生活するということはそこに社会性が生まれる。そして必然的に、社会性の一形態として支配者―服従者の支配の構図が成立する。…

組織改革にあたっての雑感

組織改革について雑感を短文にまとめたので、ここに公開する。 まず大前提として、この手の「組織改革」というものは何のためにやるかが重要であり、それをまず明確にすることが必要となります。目標像の設定です。 そして目標像は、「組織の秩序ある運営」…

民主党よ、驕るなかれ

安倍首相の自滅に際しての、民主党のおごった雰囲気が気になる。その象徴的な存在が鳩山由紀夫幹事長だ。安倍首相の辞任表明を受けた直後の民主党ミーティングで、挨拶にたった鳩山氏は、同僚のチャチャに苦笑いを浮かべ、せせら笑った。本当に数秒の出来事…

安倍晋三首相の辞任報道にふれて(マキャベリズムの観点から)

安倍晋三首相が辞任を表明した。所信表明演説をしたばかりというこのタイミングの辞任に批判が相次いでいる。首相の所信表明演説というのは私風にいえば「頑張ってやりまっせ宣言」であり、「さてこれから!」というこのタイミングで辞めるのは、あまりに間…

夏目漱石「こころ」

こゝろ (角川文庫)夏目 漱石 角川書店 2004-05売り上げランキング : 9096おすすめ平均 読むたびに違う味わいを感じさせる名作この100年で、人間は少しでも進歩したのだろうか現代人の心に響く、普遍的な何かを持っているAmazonで詳しく見る by G-Tools 「自…

アイデア閃きに関する脳生理学的考察

森の現場を歩いているとき、車で現場まで移動しているとき、ハッと閃く瞬間がある。ポアンカレの言葉を使えば、「突然天啓がくだった如くに考えがひらけて来る」という状態である。仕事のアイデアはもちろんのこと、体験したあのケースはアカデミックに位置…