政治問題

山崎豊子「華麗なる一族〈上・中・下巻〉」

華麗なる一族〈上〉 (新潮文庫)山崎 豊子おすすめ平均 名作です!ドラマを見た人も原作の重厚な文章を味わって欲しい読み始めたら止まらない政官財、家族、男女が縦横に絡み合う大河ドラマ「悪」の魅力。でも、それが単純な「悪」とはいえないのが山崎作品の…

佐藤優・田中森一「正義の正体」

正義の正体田中 森一集英社 2008-03-26売り上げランキング : 3294おすすめ平均 純粋に楽しめる対談本一気に読んでしまいました外務省と東京地検の異端児が語る組織事情と国策捜査Amazonで詳しく見る by G-Tools ラフカディオ・ハーン(小泉八雲)の「怪談」…

佐藤優「国家の謀略」

国家の謀略佐藤 優 おすすめ平均 国家および民族のための諜報インテリジェンスについて分りやすく説明されている宗教の持つ意味とは?面白い!ビジネスに応用できるかどうかは何ともAmazonで詳しく見る by G-Tools◎池田徳眞「プロバガンダ戦史」の原則から見…

マキアヴェリ著(マキャベリ)、佐々木毅訳「君主論」

君主論 (講談社学術文庫)マキアヴェリ 佐々木 毅 おすすめ平均 麦酒の苦味に似た味政治学・帝王学のために必読。君主論現代でも十分に生きる政治観分かりやすいAmazonで詳しく見る by G-Tools ニッコロ・マキャヴェッリは、イタリアの中世の政治思想家であり…

道路特定財源報道を見ながら、田舎における道路整備の必要性を考える(ストロー効果の観点から)

わたしの住む北海道の東部地域は、かつて社会インフラが貧弱で、たとえば国道などの幹線道路ですら、つい30年、40年前までは砂利道で不便だったという。先日も地元出身の年配者から話を聞いたが、特に春の雪解け時期には道路がぬかるみ、場所によっては…

田中森一「反転―闇社会の守護神と呼ばれて」

反転―闇社会の守護神と呼ばれて田中 森一 おすすめ平均 「検察」の驚愕の事実特捜が断片情報から本丸攻略までのからくりを生々しく描写犯罪なんて便宜的な枠組みでしかないバブルに踊らされた団塊世代の独白迫力はある。でも、、、Amazonで詳しく見る by G-T…

魚住昭「野中広務 差別と権力」

野中広務 差別と権力魚住 昭 おすすめ平均 あえて 指摘します。顔にあざのある女戦後の被差別、政治の歴史、裏社会がよくわかる戦後日本の肖像と断絶一人の人間の生き方として読むAmazonで詳しく見る by G-Tools 魚住昭氏の文章は今回はじめて読んだが、各エ…

佐藤優・魚住昭 「ナショナリズムという迷宮―ラスプーチンかく語りき」

ナショナリズムという迷宮―ラスプーチンかく語りき佐藤 優 魚住 昭 朝日新聞社 2006-12売り上げランキング : 35202おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools …(佐藤優は「国家の罠」において)いわば国家を愛しながら平然と突き放すという離れ業をあっさ…

鈴木宗男・佐藤優「反省 私たちはなぜ失敗したのか?」

反省 私たちはなぜ失敗したのか?鈴木 宗男/佐藤 優 アスコム 2007-06-15売り上げランキング : 6557おすすめ平均 恐るべき官僚の実態を知る手がかりに可笑しさと怖ささらなる深層の真相を想像するAmazonで詳しく見る by G-Tools 佐藤優氏、鈴木宗男氏の著書は…

藤原正彦「日本人の矜持―九人との対話」

日本人の矜持―九人との対話藤原 正彦 新潮社 2007-07売り上げランキング : 39536おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 小学校において重要なのは、一に国語、二に国語、三,四がなくて五に算数。他の科目はすべて十以下といっていい。(73p) 藤原正彦…

立花隆「『田中真紀子』研究」

「田中真紀子」研究立花 隆 文藝春秋 2002-08売り上げランキング : 226639おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 最初に断っておきたいのは、わたし自身、田中真紀子という政治家に興味があるわけではないということだ。彼女が外務大臣時代に見せた無…

「『丸山眞男』をひっぱたきたい―希望は、戦争。」論文とその後の論争について

今年の終わりに、今年度の論題で話題になった論文とその後の論争について追ってみた(2007年12月31日記す)。 話題となった論文は、無名のフリーターが書いた「『丸山眞男』をひっぱたきたい―希望は、戦争。」(赤木智弘、論座2007年1月号:53-59p)というも…

森達也「豊かで複雑な、僕たちのこの世界 森達也対談集」

思想的スタンスが必ずしも一致するわけではないが、森達也氏の考え方や発言にはハッとさせられたり、考えさせられるものがあるので、彼が出す本などの作品はなるべくチェックするようにしている。先日NHK教育で放送されたドストエフスキー特集で、「カラマー…

組織改革にあたっての雑感

組織改革について雑感を短文にまとめたので、ここに公開する。 まず大前提として、この手の「組織改革」というものは何のためにやるかが重要であり、それをまず明確にすることが必要となります。目標像の設定です。 そして目標像は、「組織の秩序ある運営」…

民主党よ、驕るなかれ

安倍首相の自滅に際しての、民主党のおごった雰囲気が気になる。その象徴的な存在が鳩山由紀夫幹事長だ。安倍首相の辞任表明を受けた直後の民主党ミーティングで、挨拶にたった鳩山氏は、同僚のチャチャに苦笑いを浮かべ、せせら笑った。本当に数秒の出来事…

安倍晋三首相の辞任報道にふれて(マキャベリズムの観点から)

安倍晋三首相が辞任を表明した。所信表明演説をしたばかりというこのタイミングの辞任に批判が相次いでいる。首相の所信表明演説というのは私風にいえば「頑張ってやりまっせ宣言」であり、「さてこれから!」というこのタイミングで辞めるのは、あまりに間…

内藤国夫「悶死―中川一郎怪死事件」

悶死―中川一郎怪死事件内藤 国夫 草思社 1985-02売り上げランキング : 57409Amazonで詳しく見る by G-Tools 「北海のヒグマ」と呼ばれ圧倒的な存在感を残し、1983年に死去した中川一郎元農相についてのルポルタージュである。中川一郎氏の死去をめぐる疑惑に…

佐藤優「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」再読

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて佐藤 優新潮社 2005-03-26売り上げランキング : 92おすすめ平均 上四半期最大の収穫の1つ最高「国家の罠」を暴露した書物Amazonで詳しく見る by G-Tools 本書については2年ほど前に書評を書いているが(国家の罠)、…

佐藤優「自壊する帝国」

自壊する帝国佐藤 優 おすすめ平均 人と交わること『国家の罠』以前に何があったか素晴らしい本だが、警戒しながら読んでほしい日本には希薄な「地政学」および政治と宗教、民族学の着眼がここにあるラスプーチン青春記Amazonで詳しく見る by G-Tools 間違い…

手嶋龍一,佐藤優「インテリジェンス 武器なき戦争」

インテリジェンス 武器なき戦争手嶋 龍一 佐藤 優 おすすめ平均 事実と論理と闇の世界情報戦の底深さ並みのスパイ小説なんかより100倍面白い! さすがにプロフェッショナル外交や事件の裏が分かる本Amazonで詳しく見る by G-Tools 日本最高水準の外交専門家…

日本の経済政策はいかにあるべきか(安倍政権とトリクルダウン理論)

安倍晋三政権の打ち出した税制改正が、「大企業寄り」と批判を集めている。特に大手メディアは、企業に優しくて庶民に厳しい安倍晋三というラベリングで新政権を批判をしたがっている。格差社会というキーワードが大きく社会問題となるなかで、労働者や庶民…

鈴木宗男,佐藤優「北方領土『特命交渉』」

北方領土「特命交渉」鈴木 宗男 佐藤 優 おすすめ平均 「自壊する帝国」に続き再び唖然。「本当の悪」とは何かを皆でよーく考えよう!!鈴木宗男のグローバルな外交感覚に驚きAmazonで詳しく見る by G-Tools 毒を盛られた疑いで重体となっていた元ロシア連邦保…

毛沢東の評価―司馬遼太郎のリーダー論を援用して

山崎豊子著「大地の子」に感動した余波で、中国の文化大革命に興味を覚え、いくつか文献を読んできた。文化大革命は1960年代後半から1970年代前半の中国で席巻した権力闘争および内戦状態のことだが、文革の内実を知れば知るほど、それは毛沢東問題であると…

産経新聞「毛沢東秘録」

毛沢東秘録〈上〉産経新聞「毛沢東秘録」取材班 産経新聞ニュースサービス 1999-09売り上げランキング : 457725おすすめ平均 文革を巡る想像を絶する権力闘争ドラマ難しいけどわくわくしますAmazonで詳しく見る by G-Tools毛沢東秘録〈下〉産経新聞「毛沢東…

猪瀬直樹「道路の権力 道路公団民営化の攻防1000日」

道路の権力 道路公団民営化の攻防1000日猪瀬 直樹 文藝春秋 2003-11-13売り上げランキング : 50919おすすめ平均 Amazonで詳しく見る by G-Tools 小泉政権の改革の初期のシンボルだった道路公団民営化をめぐるドラマ。民営化委員会の委員だった猪瀬直樹氏が、…

李志綏,新庄哲夫「毛沢東の私生活〈上・下〉」

毛沢東の私生活〈上〉李 志綏 新庄 哲夫 文藝春秋 1996-12売り上げランキング : 54873おすすめ平均 もうひとつの「現代中国史」の資料としてこんなに面白い本はない単に毛沢東の私生活暴露というだけではなく、中国理解に有用。毛沢東の私生活Amazonで詳しく…

山崎豊子「大地の子(1)〜(4)」

大地の子〈1〉山崎 豊子 おすすめ平均 日本人としてぜひ読んで欲しい一冊『知らない』罪中国残留孤児感動の一作です骨太のテーマと精緻な取材力に圧倒されますAmazonで詳しく見る by G-Tools 文化大革命という近代中国最大の汚点を舞台に、日本人残留孤児の…

鈴木宗男「闇権力の執行人」

闇権力の執行人鈴木 宗男 おすすめ平均 官僚支配打破こそが改革の本丸!小泉政治の腐敗に絶望させられる本恐るべき野党議員の誕生権力闘争の恐ろしさ面白かったAmazonで詳しく見る by G-Tools 前書「反乱」がどこか奥歯にものが詰まったような物言いだったの…

山崎豊子「白い巨塔〈第4,5巻〉」

白い巨塔〈第4巻〉山崎 豊子 新潮社 2002-11-20売り上げランキング : 86025おすすめ平均 医者とは「なんて奴」と思うのだが白い巨塔(4)Amazonで詳しく見る by G-Tools白い巨塔〈第5巻〉山崎 豊子 新潮社 2002-11売り上げランキング : 84900おすすめ平均 Am…

山崎豊子「白い巨塔(第1〜3巻)」

白い巨塔〈第1巻〉山崎 豊子 新潮社 2002-11売り上げランキング : 14421おすすめ平均 創作と人命医者とは…財前の生き方に共感を得られる読者も多いのではAmazonで詳しく見る by G-Tools 国立大学の医学部を舞台に、スター教官の財前五郎が、根回し、金のバラ…