組織改革にあたっての雑感

 組織改革について雑感を短文にまとめたので、ここに公開する。

 まず大前提として、この手の「組織改革」というものは何のためにやるかが重要であり、それをまず明確にすることが必要となります。目標像の設定です。
 そして目標像は、「組織の秩序ある運営」などという言葉を使うと、あまりに一般論過ぎて、目標像としては漠然とし過ぎます。漠然とした目標像から導き出される「組織の再構築」はやはり漠然としたものになります。
 カルロス・ゴーンなどの経営論を引くまでもなく、改革には緻密な現状分析(財政、職務状況など)をした上で、明確な中長期のビジョンと戦略を示すことが基本となります。そして、すべての仕事に達成目標を定め、進捗状況をこまめにチェックし、職員全員にその情報が伝わる仕掛けを作ります。当組織を取り巻く環境は厳しくなり総花的な対策は出せない状況になっているのですから、まさに選択と集中」でやることを絞り込んで取り組まねばならず、絞り込まれたその目標に向かって、どのような体制をつくり、どのように進めていくかの戦略が求められます。「選択と集中」に本気で取り組むということは、一方で、やらない、やれないことは不退転の決意で切っていくことが必要となります。この部分は、既得権益をもつ人や担当者に対して痛みを強いることですから、「明日を良くするために今の痛みに耐える」と米百俵の精神でやり切ることが重要です。まさにここに本気に改革をやる気があるのかどうかの、覚悟の問題が前面に現れます。
 そのような意味で、当組織の明日のために選択された分野・対策は何なのか、一方で断ち切る対策は何なのかを明確にするのが最初の一歩ではないでしょうか。それを明確にしなければ、できなければ、どんな改革論議も実を結ばないと考えます。最後に繰り返しますが、「改革」というものは目指すべき目標像を明確にすることが大前提であり、その目標像はこの厳しい状況を考えると「選択と集中」型にならざるを得ません。どの分野を選ぶかをまず明確にし、それに向かってどのような体制が必要かを考える、この段階論がいまもっとも求められていると思います。

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