リベラルアーツ

道路特定財源報道を見ながら、田舎における道路整備の必要性を考える(ストロー効果の観点から)

わたしの住む北海道の東部地域は、かつて社会インフラが貧弱で、たとえば国道などの幹線道路ですら、つい30年、40年前までは砂利道で不便だったという。先日も地元出身の年配者から話を聞いたが、特に春の雪解け時期には道路がぬかるみ、場所によっては…

コンラッド・タットマン著,熊崎実訳「日本人はどのように森をつくってきたのか」②

日本人はどのように森をつくってきたのかコンラッド タットマン Conrad Totman 熊崎 実 おすすめ平均 日本の森林について学ぶ人の必読書森林から見た日本の歴史昔々の森の話。Amazonで詳しく見る by G-Tools4 近世における造林技術の確立〜植栽 …造林書や林…

コンラッド・タットマン著,熊崎実訳「日本人はどのように森をつくってきたのか」①

日本人はどのように森をつくってきたのかコンラッド タットマン Conrad Totman 熊崎 実 おすすめ平均 日本の森林について学ぶ人の必読書森林から見た日本の歴史昔々の森の話。Amazonで詳しく見る by G-Tools 古代から近世までの日本の森林管理の実像を、通史…

元旦と日本経済新聞

あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。今年こそは自分自身もっと成長したいです。 さて元旦を迎えましたね。元旦といえば、この7年間元旦に実践していることがあります。些細なことと言えばそれまでですが、それは日本経済新聞の元…

マックス・ヴェーバー「支配の社会学」

これまでの人類史は集団による生活史であり、デフォーのロビンソン・クルーソー的な単独生活は希なケースに過ぎない。人間が集団で生活するということはそこに社会性が生まれる。そして必然的に、社会性の一形態として支配者―服従者の支配の構図が成立する。…

アイデア閃きに関する脳生理学的考察

森の現場を歩いているとき、車で現場まで移動しているとき、ハッと閃く瞬間がある。ポアンカレの言葉を使えば、「突然天啓がくだった如くに考えがひらけて来る」という状態である。仕事のアイデアはもちろんのこと、体験したあのケースはアカデミックに位置…

佐藤優「獄中記」を読んで獄中生活について考えた

佐藤優「獄中記」を読んだ。書評については次の機会に譲るが、今日は佐藤氏の体験した獄中生活に対しての所感を書いてみたい。 本書を読み終えて、率直に、獄中生活も悪くないな、と思った。佐藤氏のような獄中生活を送れるのであればわたしもやってみたいな…

NHK「その時歴史が動いた」を見て人間の忘却性について考えた

先日、NHKの番組「その時歴史が動いた」の「中国と国交を回復せよ〜足利義満の日明外交〜」の再放送を見た。 内容は、室町幕府・三代将軍の足利義満の日中国交回復の取り組みを描いたものであった。足利義満は、100年前の蒙古襲来の侵略のトラウマが日本…

一つの妖怪が世界を徘徊している、――グローバリゼーションの妖怪が。

一つの妖怪が世界を徘徊している、――グローバリゼーションの妖怪が。 この言葉はもちろん有名なマルクスの言葉「一つの妖怪がヨーロッパを徘徊している、――共産主義の妖怪が」(共産党宣言)をもじったものである。マルクス主義とグローバリゼーションが関係…

本日の一言(作家・渡辺淳一 北海道へ)

「札幌の人口は180万人を超え、全国十大都市の一つである。だが、その実態は、道内各地から流入してきた人口を吸収しただけで、巨大な消費都市に過ぎない。」 「・・・(福岡は近隣の元気な拠点都市をもち、沖縄、台湾、韓国、中国と交流するネットワークを…

理解社会学について

マックス・ヴェーバーの概念整理のつづき。今日は理解社会学という方法論を考えたい。 理解社会学とは、わたしの理解でいえば、社会を動かすのはそれを支える個々人の内面的な動機づけだという問題意識のもと、個々人の内面的な動機(倫理観や道徳観)にスポ…

価値自由(Wertfreiheit)と理念型(Idealtypus)について

昨日、社会学の泰斗・マックス・ヴェーバーについて触れたが、わたしの知的好奇心が刺激されたこともあり、彼の提唱した概念について、ここに整理しておきたい。もちろんわたしは今は研究者ではないので、ここで新しい解釈に挑戦したいとか思っているわけで…

山之内靖「マックス・ヴェーバー入門」

マックス・ヴェーバー入門山之内 靖 おすすめ平均 評価は難しい。ニーチェ・ファンにも勧めたい師に反逆!ラディカルな問題提起を行った好著「近代」批判者としてのウェーバーAmazonで詳しく見る by G-Tools1 社会学の泰斗・ヴェーバー 理解社会学、理念型…

日本の経済政策はいかにあるべきか(安倍政権とトリクルダウン理論)

安倍晋三政権の打ち出した税制改正が、「大企業寄り」と批判を集めている。特に大手メディアは、企業に優しくて庶民に厳しい安倍晋三というラベリングで新政権を批判をしたがっている。格差社会というキーワードが大きく社会問題となるなかで、労働者や庶民…

本日の一言(案ずるより産むが易し)

昨日、職場に行くまでは憂鬱だった。飛び込みのトンデモ案件が一昨日にはいって、それをどう処理するか、職場で決めなければいけなかったからだ。トンデモ案件なので処理の仕方はひとつだったのだが、そのように行くか不安で、前の晩の夜からあれこれ心配し…

内藤忍「内藤忍の資産設計塾―あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法」

内藤忍の資産設計塾―あなたの人生目標をかなえる新・資産三分法内藤 忍 自由國民社 2005-01売り上げランキング : 2,672おすすめ平均 ぜひ女性にも読んでいただきたい殖やしたいねサルでは儲からないAmazonで詳しく見る by G-Tools 本書を読んでまず感じたこ…

細野真宏「細野真宏の世界一わかりやすい株の本 実践編」

細野真宏の世界一わかりやすい株の本 実践編細野 真宏 文藝春秋 2005-12-14売り上げランキング : 3,128Amazonで詳しく見る by G-Tools いま話題のベストセラー。資産運用のために株でも買ってみようかと思っている方には必読の書と言えよう。 細野本の一番の…

細野真宏「細野真宏の世界一わかりやすい株の本」

細野真宏の世界一わかりやすい株の本細野 真宏 文藝春秋 2005-06-10売り上げランキング : 86おすすめ平均 まさか、これほどまでの良書だとは・・・多くの読者が大きなリターンを得られているのは、偶然ではないですこれこそ、まさに教科書!Amazonで詳しく見…

新年のご挨拶と本日のひとこと(酒と女と歌を愛さぬ者は一生の間バカのまま)

あけましておめでとうございます。 今日は、好きな写真家でありエッセイストであった星野道夫さん風に文章を書いてみます。 北海道東武地域は、朝の冷え込みが厳しく、マイナス10度を前後するような日が続いています。札幌に9年近く住んでいましたが、札…

小泉首相の靖国神社参拝報道に思うこと

先月の話だが、小泉首相の靖国神社参拝の是非が話題になった。中国、韓国はすぐに反応し、不快感をあらわにした。日本国内といえば、かつての左右対立そのままに「戦没者の慰霊という日本人の心の問題は他国にとやかく言われる問題ではない」という参拝賛成…

わたしたちが生きていくということ(経済学におけるトレードオフ)

1 自然に詳しいSさんのこと わたしの友人のSさんは地域の自然ガイドをやっており、地域の植物・動物について異常に詳しい。しょっちゅう地域を歩いているので、木本・草本や野鳥の判別はもとより、「今、どこどこで何が咲いているよ」とかのプチ自然情報も…

本日の一言(十で神童,十五で才子,二十歳過ぎればただの人)

むかしの人はなかなかスルドいことを言うものだ。この言葉を聞いて、ドキッとする人も多いはずだ。この言葉は、10歳で神童と呼ばれた地域の天才君も、中学、高校、大学、社会人と、広い世界に飛び出すに従って、普通の人になって埋もれてしまうという意。 こ…

本日の一言(人生と友について)

先日、久しぶりに大学時代の友人と会った。 わたしは学生時代に沖縄のエイサー踊りに打ち込んでいた時期があり(2年弱の短い期間だが)、今回会ったのもそのサークルの面々だった。このサークルは、札幌でエイサー踊りに興味を持った人たちの集まりで、祭り…

本日の一言(衣食足りて礼節を知る)

幸いなことに、地域の農家の方々と仲良くさせてもらっている。 仕事で農家回りをした時などは、立ち寄ると「おう、来たか。寄ってけ」と声をかけてくれ、長話をすることが多い。自分で言うのもなんだが、特に中高年のおじさんウケしていると思う。昔、研究の…

本日の一言(砂上の楼閣)

わたしの職場の管理職O氏の言動を聞いていると、この言葉をいつも思い出す。担当している仕事について、分かったようなフリをして、流行の言葉で飾り立てて喋ることが多いが、実際はその分野についての上っ面の知識しかなく、シロート同然である。仕事も丸投…

本日の一言(孔子)

「過ぎたるは及ばざるが如し」(孔子、「論語」) 職場の人が、同じ職場の管理職Aさんの仕事ぶりを見て使った言葉で、印象に残った。 やり過ぎは及ばないのと同じだ、という意。何事もほどほどに、ということであろう。中庸の道を説く孔子らしい批評の言葉だ…

本日の一言(柳田国男)

「何が新しく生まれた美しさで 何が失われた大切なものか。 それをいつも考えること」(柳田国男)よかったら投票してください→人気blogランキング

次のステージへの挑戦(千利休の「守・破・離」)

今日、仕事の山場を乗り越えた。 今日のためにこの1ヶ月の間、残業・土日出勤のオンパレードの中で準備してきた。それをついにクリアーできたのである。充実感は確かにある。 あまり具体的に書けないのが残念だが、わたしの仕事の世界では、今日の業務をこな…