2007-01-01から1年間の記事一覧

ダウンタウンとの出会い

ダウンタウンとの出会いは高校生のときだった。 高校2年生くらいだったと思う。わたしの家は夕食時にテレビが付いていることが多く、その日も何気なく家族でテレビを見ていた。「ダウンタウンのごっつええ感じ」という番組が流れ、その中の一つのコントにわ…

松本人志監督「大日本人」

大日本人 通常盤神木隆之介 UA 板尾創路 アール・アンド・シー 2007-11-28売り上げランキング : 891おすすめ平均 ヒーロー物、としては悪くなかった?これは恐怖映画だどこが面白いのか解らないAmazonで詳しく見る by G-Tools 松本人志の熱狂的ファンの一人…

手記「私はなぜ社説を盗用したか」(小林広、論座2007年7月号:184-195p)を読んで大学院生時代を思い出した

論座の2007年7月号を流し読みしていたら、次の記述にハッとさせられた。 その記事は、盗用で社説記事を書いて山梨県の新聞社を解雇された記者の手記だ。解雇後に医療専門家から送られたというメッセージの引用部分に、次のくだりがある。 ジャーナリストには…

柴田昌治,金田秀治「トヨタ式最強の経営―なぜトヨタは変わり続けるのか」

トヨタ式最強の経営―なぜトヨタは変わり続けるのか (日経ビジネス人文庫)柴田 昌治 金田 秀治 おすすめ平均 トヨタを題材とした企業風土のケーススタディAmazonで詳しく見る by G-Tools トヨタ自動車の経営絶好調の秘密を探りたい程度の気持ちで読んだら、予…

榊原英資「為替がわかれば世界がわかる」

為替がわかれば世界がわかる (文春文庫)榊原 英資 おすすめ平均 財務官としての仕事が書かれているだけ情報をどのように扱うか。政・経・軍事・通貨を一体不可分で考える為替と経済の関係を知りたい人へミスター円と呼ばれた男Amazonで詳しく見る by G-Tools…

佐藤優「獄中記」

獄中記佐藤 優 岩波書店 2006-12売り上げランキング : 2385おすすめ平均 強靱な精神力に脱帽知性と行動、そして外交の失策。出会いの本 Amazonで詳しく見る by G-Tools しかし佐藤優氏の書く文章は、どうしてこれほどまでに読者を引きつけるのだろうか? 以…

森達也「豊かで複雑な、僕たちのこの世界 森達也対談集」

思想的スタンスが必ずしも一致するわけではないが、森達也氏の考え方や発言にはハッとさせられたり、考えさせられるものがあるので、彼が出す本などの作品はなるべくチェックするようにしている。先日NHK教育で放送されたドストエフスキー特集で、「カラマー…

ソウル・フラワー・ユニオン「満月の夕」

満月の夕ソウル・フラワー・ユニオン 中川敬 カラオケ おすすめ平均 決して悲しい歌ではない。これは人間讃歌だ。Amazonで詳しく見る by G-Tools 1995年の阪神・淡路大震災の復興に関わる中で作られた名曲。荒削りな音作りだが、ボーカル中川敬の力強さ、圧…

マックス・ヴェーバー「支配の社会学」

これまでの人類史は集団による生活史であり、デフォーのロビンソン・クルーソー的な単独生活は希なケースに過ぎない。人間が集団で生活するということはそこに社会性が生まれる。そして必然的に、社会性の一形態として支配者―服従者の支配の構図が成立する。…

組織改革にあたっての雑感

組織改革について雑感を短文にまとめたので、ここに公開する。 まず大前提として、この手の「組織改革」というものは何のためにやるかが重要であり、それをまず明確にすることが必要となります。目標像の設定です。 そして目標像は、「組織の秩序ある運営」…

民主党よ、驕るなかれ

安倍首相の自滅に際しての、民主党のおごった雰囲気が気になる。その象徴的な存在が鳩山由紀夫幹事長だ。安倍首相の辞任表明を受けた直後の民主党ミーティングで、挨拶にたった鳩山氏は、同僚のチャチャに苦笑いを浮かべ、せせら笑った。本当に数秒の出来事…

安倍晋三首相の辞任報道にふれて(マキャベリズムの観点から)

安倍晋三首相が辞任を表明した。所信表明演説をしたばかりというこのタイミングの辞任に批判が相次いでいる。首相の所信表明演説というのは私風にいえば「頑張ってやりまっせ宣言」であり、「さてこれから!」というこのタイミングで辞めるのは、あまりに間…

夏目漱石「こころ」

こゝろ (角川文庫)夏目 漱石 角川書店 2004-05売り上げランキング : 9096おすすめ平均 読むたびに違う味わいを感じさせる名作この100年で、人間は少しでも進歩したのだろうか現代人の心に響く、普遍的な何かを持っているAmazonで詳しく見る by G-Tools 「自…

アイデア閃きに関する脳生理学的考察

森の現場を歩いているとき、車で現場まで移動しているとき、ハッと閃く瞬間がある。ポアンカレの言葉を使えば、「突然天啓がくだった如くに考えがひらけて来る」という状態である。仕事のアイデアはもちろんのこと、体験したあのケースはアカデミックに位置…

佐藤優「獄中記」を読んで獄中生活について考えた

佐藤優「獄中記」を読んだ。書評については次の機会に譲るが、今日は佐藤氏の体験した獄中生活に対しての所感を書いてみたい。 本書を読み終えて、率直に、獄中生活も悪くないな、と思った。佐藤氏のような獄中生活を送れるのであればわたしもやってみたいな…

NHK「その時歴史が動いた」を見て人間の忘却性について考えた

先日、NHKの番組「その時歴史が動いた」の「中国と国交を回復せよ〜足利義満の日明外交〜」の再放送を見た。 内容は、室町幕府・三代将軍の足利義満の日中国交回復の取り組みを描いたものであった。足利義満は、100年前の蒙古襲来の侵略のトラウマが日本…

一つの妖怪が世界を徘徊している、――グローバリゼーションの妖怪が。

一つの妖怪が世界を徘徊している、――グローバリゼーションの妖怪が。 この言葉はもちろん有名なマルクスの言葉「一つの妖怪がヨーロッパを徘徊している、――共産主義の妖怪が」(共産党宣言)をもじったものである。マルクス主義とグローバリゼーションが関係…

内藤国夫「悶死―中川一郎怪死事件」

悶死―中川一郎怪死事件内藤 国夫 草思社 1985-02売り上げランキング : 57409Amazonで詳しく見る by G-Tools 「北海のヒグマ」と呼ばれ圧倒的な存在感を残し、1983年に死去した中川一郎元農相についてのルポルタージュである。中川一郎氏の死去をめぐる疑惑に…

佐藤優「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」再読

国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて佐藤 優新潮社 2005-03-26売り上げランキング : 92おすすめ平均 上四半期最大の収穫の1つ最高「国家の罠」を暴露した書物Amazonで詳しく見る by G-Tools 本書については2年ほど前に書評を書いているが(国家の罠)、…

流域管理、環境ガバナンスを動かしていくためにはどうすれば良いのか

1 地域の自然資源管理の課題 先日の書評、佐藤優「自壊する帝国」において、わたしは佐藤氏の発言を引きながら、「部局間の仕事の重複」=「仲が悪くなる」という定式を重複悪化説と呼び、北海道の自然資源管理の事例と絡めて議論した。その流れで、日本の…

佐藤優「自壊する帝国」

自壊する帝国佐藤 優 おすすめ平均 人と交わること『国家の罠』以前に何があったか素晴らしい本だが、警戒しながら読んでほしい日本には希薄な「地政学」および政治と宗教、民族学の着眼がここにあるラスプーチン青春記Amazonで詳しく見る by G-Tools 間違い…

「新版 北海道の歴史(下)」

1 林務畑出身の北海道知事の二人 北海道は不思議な政治風土を持っている。伝統的に社会党系(革新系)が強い傾向があったし(最近は徐々に保守化しているかもしれないが)、北海道知事の系統を見ていっても不思議な流れがある。たとえば初代民選知事の田中…

本日の一言(作家・渡辺淳一 北海道へ)

「札幌の人口は180万人を超え、全国十大都市の一つである。だが、その実態は、道内各地から流入してきた人口を吸収しただけで、巨大な消費都市に過ぎない。」 「・・・(福岡は近隣の元気な拠点都市をもち、沖縄、台湾、韓国、中国と交流するネットワークを…

夏目漱石「坊っちゃん」

坊っちゃん夏目 漱石 おすすめ平均 果たして坊ちゃんは敗退したのか??不器用でもすがすがしい青春小説誇り高き益荒男ぽっかりと哀しいAmazonで詳しく見る by G-Tools むかし流行った歯磨き粉の宣伝で、芸能人の東幹久と高岡早紀が共演し「芸能人は歯が命」…

理解社会学について

マックス・ヴェーバーの概念整理のつづき。今日は理解社会学という方法論を考えたい。 理解社会学とは、わたしの理解でいえば、社会を動かすのはそれを支える個々人の内面的な動機づけだという問題意識のもと、個々人の内面的な動機(倫理観や道徳観)にスポ…

価値自由(Wertfreiheit)と理念型(Idealtypus)について

昨日、社会学の泰斗・マックス・ヴェーバーについて触れたが、わたしの知的好奇心が刺激されたこともあり、彼の提唱した概念について、ここに整理しておきたい。もちろんわたしは今は研究者ではないので、ここで新しい解釈に挑戦したいとか思っているわけで…

山之内靖「マックス・ヴェーバー入門」

マックス・ヴェーバー入門山之内 靖 おすすめ平均 評価は難しい。ニーチェ・ファンにも勧めたい師に反逆!ラディカルな問題提起を行った好著「近代」批判者としてのウェーバーAmazonで詳しく見る by G-Tools1 社会学の泰斗・ヴェーバー 理解社会学、理念型…

凡人という名の努力の天才(NHKプロフェッショナル・石井裕氏の回を見て)

NHKのプロフェッショナルという番組を見た。この番組は、さまざまな分野でいま先頭を走っている人たちを現在進行形で追い、そのプロフェッショナリズムから学ぶという内容で、ときどき面白い人が登場する。今回もそうだった。 今回の主人公は、アメリカの大…