東野圭吾「変身」(講談社文庫)

 平凡な青年・成瀬純一はある日不慮の事故に会い、運命を狂わされていく。

 彼は世界初の脳移植手術を受け奇跡的に助かったが、脳提供者の人格が徐々に彼を蝕んでいく。大人しかった彼の性格は怒りっぽくなり、次第に抑えが効かなくなり、ついに殺人まで犯してしまう。

 破滅に向かって突き進む主人公と、それを必至に食い止めようとする本人と、そして昔の恋人。
 主人公の生身の感情と、主治医の科学者としての冷静な観察。愛は人を救うのか? 衝撃のラストシーン。