郷ひろみ「ダディ」

ダディ
ダディ郷 ひろみ

幻冬舎 1998-04
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 編集者の見城徹氏に興味があり、彼がコーディネートした郷ひろみ「ダディ」を読んだ。
 おしどり夫婦の離婚という事実を、この本の発売の日に発表するというセンセーショナルさ。このような仕掛けを作り本を売りまくってしまうところが、編集人・見城徹の真骨頂だろう。

 本書には、スター郷ひろみの飾らない、ありのままの弱い人間像が描かれている。

 潔癖症の妻が怖くてビクビクしているのに、競演した後藤久美子を誘って食事に行ったりする。「ふたりっきりで食事をしたいという原始的な願望というか、欲望には勝てなかった」(97p)という。そして勘の良い妻にバレる。靴でなぐられる。なんとも、まあ、かっこ悪い姿だ。
 芸能界は魅力的な女性が多いので大変だな。檻に入れられた大好物を目の前にして我慢させられている狼、そんなシチュエーションも多いのだろう。きっと。芸能人って大変だな。

 週刊現代に「私を抱いた有名人」という特集で、自分の名前が載る。そこで妻に話すか話さないかで迷うが、結局だんまりを決め込む。そこからが大変だ、妻が行きそうな美容院、病院、空港などに先回りして雑誌を回収したり買ったりする。でも結局、ばれた。妻の前で記事を2回ほど朗読させられたという。

 違う。努力するところを完全に間違えている。頭のネジが1本かけ間違えているかのようだ。

 この人、SかMかで言えば、完全なるMだ。
 自分で追い詰められた状況を作っている、そしてある意味、そういう状況を望んでいるように見える。

 こういう人、近くにいたら、本当に疲れるだろうな。

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(私の本書の評価★☆☆☆☆)
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