久しぶりのチェーンソーを使っての間伐作業

haruo72004-10-30

 先日(10月29日)は、久しぶりにチェーンソーを持っての間伐作業をした。
 普段、わたしは地域の森林管理に携わっているが、実際の仕事はデスクワークが多く、自らチェーンソーを持って山で作業をする機会はほとんどない。今回は、研修会でチェーンソーを使ったのだ。

1. 私のこれまでの伐採体験

 チェーンソーを使っての伐採は、私はこれまで2回しか経験したことがない。1回目は、学生時代(1996年3月)に北大和歌山演習林での実習で、40年生の杉(檜だったかもしれない)の大木を3本伐った時。大きな木で、倒れるとともに「ドーーン!」と地鳴りがしたのを覚えている。2回目は1998年ごろ、大学の先生の斡旋で、北大檜山演習林の付近の私有林を伐った時。これは伐採というより、枝払いにチェーンソーを使っただけだったかもしれない。つまりは私はチェーンソー・シロートなのである。

2. 久しぶりの間伐作業

 今回の作業内容は、関係者15名とともに、1.2ha・28年生のトドマツ林分を30%の伐採率で伐るというもの。チェーンソー使用があまりに久しぶりなので、最初は詳しい人から一通り説明してもらい、それでもなんか怖くて作業にかかかれず、他の人たちの作業をじっくり観察してから、おそる、おそる、作業を始めた。幸い、この林分は成長の遅いトドマツ林で、また施業遅れの林分であったため、立ち木の成長は悪く幹は細く、巨木を倒す時のような恐怖・スリルはなかった。初めの1本は時間がかかった。細い木を選び、怪我をしないように慎重にチェーンソーを入れ、時間をかけて倒した。さらに2m程度の長さに玉伐りをして、枝を払った。胸高直径20センチ程度の細い木だったが、仕上げた時は汗びっしょりとなった。これは重労働だ。年配の方が近寄ってきたので、「いや〜、終わりましたよ」と報告したら、「おい、ずいぶん伐根の位置が高いな」と言われてしまった。とほほ…。もっと低い位置から伐れば良かった。
 1時間半程度の作業だったが、結局、15本くらいしか伐ることができなかった。終わった時は、手足の疲れ、特に左腕の疲れがひどく痛み、腱鞘炎みたい小刻みに震え、箸がもてなかった。久しぶりのチェーンソー作業だったとはいえ、あまりに情けない。
 それにしても、業者の人とか、普段チェーンソーを使っている人は、実にかろやかに作業するものだ。伐採、玉伐り、枝払いの一連の作業を、流れるようにおこない、しかもスピードがべらぼうに速い。私が「ぜーぜー」言いながら1本伐った時は、3本くらい伐っているのだ。テクニック、体力、気力、すべての面で完敗だ。

3. 現場と机上の往復作業で考える森林管理

 というわけで自分のダメさ加減を痛感したひとときだったが、私にとって非常に良い体験だった。普段は森林管理計画とか、山持ちさんへの事業推進とか事務作業中心で仕事をやっているが、机上で考える作業のイメージと、実際にやる作業のイメージはかなり違うことがまた実感できた。この違いを実感し続けることが大切だ、と私は信じている。机上と現場を絶えず往復することが、遠回りに見えても、より良い森林管理へ続く唯一の道であると。
© 2005 Haru

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