フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルで浅田真央ら日本選手活躍!

 ロシアのサンクトペテルブルクで開催されている、フィギュアスケートのグランプリ(GP)ファイナルをついつい見てしまった。女子のショートプログラムで、浅田真央が69.34点の高得点で首位。安藤美姫、韓国のキム・ヨナと続く展開となった。
 フィギュアについて私はシロートだが、シロート眼にみても、浅田真央の演技は軽やかで、スムーズで、スピードがあって、群を抜いていた。安藤美姫もミスがほとんどなかったが、浅田真央の後の滑走だと、どうしても体が重そうに見えてしまう。ジャンプも1回1回精一杯跳んでいるように見え、流れの中でピョンピョンと軽やかに跳んでしまう浅田と比べると、演技全体のスムーズさに欠けて見える。その点、韓国のキム・ヨナはジャンプも難易度の高い技が出来るし、浅田にはない艶やかもあって、今後強敵になる予感がする。浅田真央が得意としているトリプルアクセル(3回転半)の練習も着々としているというし。今後のフィギュアスケート女子界は、浅田とキムの二強時代に入るかもしれない。ただフィギュア界は15、16歳の新人が彗星のごとく現れるケースも多いので、3年後のバンクーバーオリンピックの構図はまだまだ分からないけど。
 先のNHK杯で浅田真央は199.52点と、新採点システムになって世界歴代最高点をたたき出したが、考えてみると、これはトンデモナイ数字だ。トリオオリンピックの荒川静香の、あの素晴らしい演技ですら191点だったのである。難易度の高いジャンプ、スピンを武器にし、スパイラル、ステップでもレベル4をうかがうところまで底上げしている浅田にとって、夢の200点台もすぐそこに迫っているかもしれない。最近の浅田の演技を見ていると、表現力もメキメキ上がっていると感じる。
 フィギュア競技の進化は想像以上のスピードで進んでいる。日本女子でベテラン扱いされている村主章枝(でもまだ彼女は25歳!)は、創造性に富む構成と表現力は魅力なのだが、ジャンプ、スピンともに難易度的に見れば難があり、今後は難しいかもしれない。ただ彼女のあの表現力があれば、競技の世界から引退しても、プロとしてショウの世界では十分に生きていけるであろう。
 しかし今回のグランプリシリーズは寂しいものがある。トリノオリンピックで活躍したアメリカのサーシャ・コーエンやロシアのイリーナ・スルツカヤが出場していないのだ。男子にしても、他を寄せつけない強さを見せたロシアのエフゲニー・プルシェンコも休暇中で出場していない。荒川静香とは違い、コーエンもスルツカヤも引退はしていないみたいなので、来シーズンあたりから出てくるかもしれない。そうなったとき、浅田とキムの二強にコーエンもスルツカヤがどう絡んでくるか興味深いところだ。
 最後に。まったくの余談だが、会場で浅田真央のコールが起こると、いつもわたしは一般日本人とは違う感慨を抱いてしまう。それは「真央(マオ)」という響きに対してだ。周知のとおり「マオ」は、むかしの中国の指導者・毛沢東の「毛」の中国読み。浅田真央の「マオ」という響きに、中国の人たちは過剰反応していしまうのではないか、といつも変な気をつかってしまう。毛沢東の評価については当の中国人自身も複雑な思いがあるだろうから余計に。余談でした。
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