中江裕司監督,西田尚美「ナビィの恋」

ナビィの恋
ナビィの恋西田尚美 中江裕司

バンダイビジュアル 2000-08-25
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おすすめ平均 star
star「何年かに1本の日本映画の名作」
star八重山になります。
star沖縄好きにはたまらない♪

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 これ、ホントに良い。わたし、この映画、めちゃめちゃ好きです。
 沖縄版のミュージカル映画といえるかもしれない。映画のあいだほとんどと三線(音楽)が鳴っている。切ないシーンではシンプルな三線演奏で「十九の春」。盛り上がるシーンではカルメンのハバネラ「恋は矢の鳥」。これを何と! 三線とバイオリンの伴奏でオペラ歌手に歌わせてしまう(めちゃくちゃカッコいいです)。他にも沖縄民謡、ダニーボーイの沖縄バージョン、ケルト音楽、カチャーシー……。沖縄風に加工された名曲が次から次へと飛び出し、ストーリーを鼓舞していく。音楽の玉手箱みたいな映画だ。
 ただこの映画の評価は、人によって分かれるかもしれない。この作品の脚本は荒いとおもう部分がある。登場人物の感情や心の動きが細やかに分かるように綿密に計算された脚本ではない。たとえば奈々子(西田尚美)と福之助(村上淳)が結婚するシーンはあまりに唐突で安易な流れだ。また経験を積んだ俳優ばかりでもない。素人っぽさ漂う演技もある。沖縄音楽や沖縄の風土に感情移入できない方には、いまいち映画にうつるかもしれない。
 しかしそうであっても、わたしはこの映画をすばらしいと思う。美しい沖縄の粟国(アグニ)島の風景、三線の乾いた音で奏でられる沖縄音楽、そしてラストシーンの島民集まってのカチャーシー(皆で踊る)。画面空間いっぱい楽しげなのだ。見ているだけで心が弾んでくる。自分もカチャーシーの和に入りたくてたまらない。この映画は一種のお祭りみたいなもの。沖縄の大地と沖縄文化が完全勝利しているのである。
(私の評価★★★★★)
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