フランク・ダラボン監督「ショーシャンクの空に」
ショーシャンクの空に | |
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本作品は、妻とその愛人殺しの容疑で終身刑の判決を受けた、元銀行幹部のアンディの物語。アンディと獄中の友レッドの友情を中心に、ショーシャンク刑務所で生きる男たちのさまざまな人間模様を描いていくものだ。
確かに本作品には、南の島に打ち寄せる波のように、静かに、ゆっくりと染み入ってくる感動がある。特に、主人公アンディの、脱獄後の素早く、頭脳的な行動には爽快感すら覚える。抑圧されてきたものを一気に解放するという、えも言われぬ自由さがそこにある。
この快感は、日本映画で言えば高倉健の作品に似ているだろうか。また脱獄の夜、自殺するように見せかけて脱獄するという、死ではなく生を選ぶところが良い。さらに言うならば、刑務所の屋上で仲間とビールを飲むシーン、元銀行マンという専門性を生かしてアンディが看守らの税金対策のアドバイスをするシーン、どこまでも青い海のビーチでアンディとレッドが再会する最後のシーンなどは、思わずニンマリとしてしまうほど、晴れやかな気分にさせてくれる。
しかし同時に、不満も残った。結局、ショーシャンク刑務所に関する問題(看守や服役囚同士の暴力)はほとんど解決されていない(所長の不正はなくなったが)。また仮釈放後の服役囚の孤独死の問題は解決されていない。ハッピーエンドのように仕立てているが、よくよく考えればハッピーエンドではない。このごまかしの部分に不満が残った。
本作品は、スティーヴン・キングの『刑務所のリタ・ヘイワース』を映画化したのが本作である。
(私の評価★★★☆☆)
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