H. ヘッセ「ヘッセ詩集」

4622049228ヘッセ詩集
H. ヘッセ Hermann Hesse 片山 敏彦

みすず書房 1998-01
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 ドイツの詩人へルマン・ヘッセ(1877〜1962)の詩は、全体としてあまり私の印象に残らない作品が多い。狂気の詩人ランボー、天才的洞察と愛の詩人ゲーテ、日本的なウェットさが売りの中原中也などと比べたら、確かに物足りないものもある。それでもなぜかわたしが最初に買った詩集はヘッセだったのであり(たぶん高校の頃に買ったと思う)、昔からずっと気になる存在だった。ヘッセの作品は高校の国語の授業かなにかで知って、興味を持ち、読み始めたのだろう。いくつか好きな詩がある。
「長い旅路にあって さすらいの悲しみと喜びを 
 味わいつくしたものでなければ あの雲の心はわからない」(白い雲)
「地上には大小の道がたくさん通じている。しかし、みな 目ざすところは同じだ。
 …だが、最後の一歩は 自分ひとりで歩かねばならない」(独り)
「この世のあらゆる書物も おまえに幸福をもたらしはしない。
 だが、書物はひそかに  おまえをおまえ自身の中に立ち帰らせる」(書物)
(評価★★☆☆☆)
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