アルフレッド・ヒッチコック「北北西に進路を取れ」

北北西に進路を取れ 特別版
ケイリー・グラント アルフレッド・ヒッチコック

ワーナー・ホーム・ビデオ 2000-11-10
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1.作品概要

 広告代理店経営者のロジャー(ケイリー・グラント)は、ある日タウンゼント(ジェームズ・メイスン)ら宝石密輸団からキャプランというスパイと間違えられ、殺人の濡れ衣を着せられてしまう。逃亡しながら事件の真相をつかもうとする彼に、謎の美女(エヴァ・マリー・セイント)が絡む…。とうもろこし畑で軽飛行機に襲われる有名なシーンなど見所は多く、サスペンス映画の巨匠・ヒッチコックの代表作の一つ。

2.作品批評

 軽快タッチで、非常に面白く見られる内容である。良い映画を見た後の、なんともいえない満足感を味わえる作品だ。
 ヒッチコックの作品というとやはり「鳥(The Bird)」の印象が強烈なので、「はらはら」「どきどき」の、恐怖を中軸に据えたサスペンス映画をイメージする。しかし本作品は、恐怖の度合いをこれまでよりかなり低く抑える一方で、ユーモアを随所に埋め込み、テンポ良くストーリーがすすむ作品に仕上げられている。
 最大の見所は最後のクライマックス。敵に突き飛ばされ、崖から落ちそうになる謎の美女(エヴァ・マリー・セイント)を救おうと、ロジャーは彼女の手をつかみ、引き上げようとする、すると……。あのヒッチコックがこのようなエンディングを選択するのか、という驚きと、思わず笑ってしまうアイデア。サスペンスの巨匠・ヒッチコックのまた違う側面が見られる映画でもある。
 それにしても助演の女優、エヴァ・マリー・セイントは、引き込まれるほどセクシーで美しかった。特に列車の中でロジャーを誘惑するシーンは秀逸で、冷静で頭が良くセクシーな美人、という今回の役柄に彼女はまさにはまり役だった。
 唯一の難点といえば、全体の構図が見えにくいという点。ロジャーが巻き込まれた事件はFBIと宝石密輸団の対立の中で起こったものだったが、この構図がまず分かりにくいストーリー展開だった。2つの組織が対立しているのは分かるのだが、それぞれの組織がいったい何なのか、何のために活動しているのかが最後まで非常に分かりづらかった。
北北西に進路を取れ 特別版
(評価★★★☆☆)
  
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