ジョージ・ロイ・ヒル監督「スティング」

スティング
B00006880Rロバート・レッドフォード ポール・ニューマン ロバート・ショー ジョージ・ロイ・ヒル

ソニー・ピクチャーズエンタテインメント 2002-08-01
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おすすめ平均 star
star娯楽作として超一流
starこんなユニークで面白い映画はまずないっすね。
star映画の中の映画

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 おそらく娯楽映画としては最高傑作のひとつだろう。
 まず第一に脚本がいい。1936年のシカゴを舞台に、修行中の詐欺師(ロバート・レッドフォード)と天才賭博師(ポール・ニューマン)が、親分の仇討ちのためにシカゴの大物ボスに挑むという設定はありきたりなのだが、アッと驚く結末へ導くストーリー展開がすばらしい。緻密に計算された脚本構成で、いたる所にエンディングへつながる伏線を張り巡らせつつも、間延びしないようにそれを必要最小限にとどめている。非常にテンポ良く物語がすすむ。またエンディングのトリックだけではなく、各所の小トリックもそれぞれ秀逸で、見ていて、その見事さに「ほほう」と感心してしまう。観客をまったく飽きさせない。この作品が、「どんでん返しパターンの元祖」といわれるのもうなずける。とにかくこの作品は脚本がすばらしい。
 第二にすばらしい点は、ポール・ニューマンやロバート・ショーなどの存在感のある配役だ。特にエンディングへの重要な伏線である、列車内での天才賭博師(ポール・ニューマン)と大物ボス(ロバート・ショー)のポーカー勝負は両俳優の真骨頂だ。酔っ払いのフリをしてまずボスを欺くニューマン。でもニューマンの頭はフル回転しており、勝ち続ける。負けが込み、最後にいかさまに手を出すボス。大金を張って自信満々のボスに、逆いかさまで勝利するニューマン。緊張感のあるこの絶妙なやりとりは、本作品の見せ場のひとつだ。
 第三に本作品には軽快感を引き立てている仕掛けがいくつかある。まず音楽。ノリがよく印象的なメロディで映画のテンポのよさを引き立てている。また画面の切り替わり方が工夫されていて、注意してみていると面白い。またストーリーの各所で差し込まれるチャプター画のネーミングがストーリー展開を暗示していて絶妙だ。たとえば「THE SET−UP 仕掛け」「THE HOOK 引っ掛け」「THE TALE 筋書き」 といった具合だ。
 本作品は73年のアカデミー作品賞ほか、全7部門を受賞した。
(私の評価★★★★★)
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